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電験三種 やさしい解説
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誰でもわかる電験参考書「機械」
変圧器11 等価回路No.3
変圧器11 等価回路No.3
等価回路No.3
二次側に 負荷を接続した場合 と 無負荷の場合の、
等価回路に流れる電流について見てみましょう
二次側に負荷を接続した場合
電源から流れ出た一次電流I 1はI’ 1 とIo に分かれます、
よって I 1 = I’ 1 + Io になります
二次側を無負荷(開放)にした場合
二次側を無負荷(開放)にした場合、I 2は流れないのでI’ 1も流れません
よって I 1 = Io になります
つまり、二次側を無負荷にした場合の一次電流(I 1) は 励磁電流(Io) になります
変圧器11 等価回路No.3
変圧器10 等価回路No.2
変圧器10 等価回路No.2
等価回路No.2
励磁電流
変圧器の二次側を無負荷(開放)にして、一次側に電圧を加えたときに流れる電流を
励磁電流(Io)と言います (*1)
励磁電流は、磁束を作る磁化電流(Im)と
鉄損を発生させる鉄損電流(Ii) からできています
励磁回路
励磁電流(Io) 磁化電流(Im) 鉄損電流(Ii)から成り立つ励磁回路は次のようになります
(*2)
図1 励磁回路
Io : 励磁電流
Im : 磁化電流
Ii : 鉄損電流
この励磁回路を、「理想の変圧器」の回路に組み込んだ等価回路は、次のようになります
図2
注釈
(*1)
励磁とは
磁性体を磁化すること、またコイルに電流を流して磁束を発生させることです
(*2)
図1について、更に詳しく書くと次のようになります
Yo : 励磁アドミタンス (GoとBoを合成したもの)
Go : 励磁コンダクタンス
Bo : 励磁サセプタンス
変圧器10 等価回路No.2
変圧器9 等価回路No.1
等価回路No.1
等価回路No.1
理想の変圧器
巻線に発生する抵抗損や漏れ磁束による損失などが全く無く
一次側の電圧,電流をすべて二次側に変圧変流することのできる変圧器のことを
「理想の変圧器」と言います
「理想の変圧器」を使った等価回路について説明していきます
等価回路
「理想の変圧器」には抵抗損や漏れ磁束による損失などがありませんが、
実際の変圧器には、巻線に発生する抵抗損 や 漏れ磁束による漏れリアクタンスが
あります
それらの損失を「理想の変圧器」の外部に接続した等価回路は、次のようになります
漏れリアクタンス
まっすぐな一本の導線に電流が流れると、アンペア右ネジの法則により導線の周囲に磁束が発生します
この法則をコイル(巻線) に当てはめて考えます
コイルに電流を流すと コイルの中に磁束が発生するが、この時コイルの外にも
磁束は発生しています。このコイルの外に発生する磁束を漏れ磁束と言います
(コイルの中に発生する磁束を主磁束と言います)
この漏れ磁束によりコイルに誘導性リアクタンスが発生し、
この漏れ磁束により発生した誘導性リアクタンスを漏れリアクタンスと言います
(*1)
注釈
(*1)
誘導性リアクタンスとは、交流でコイル(巻線)に発生する抵抗の一種です
コイルに交流電流を流すと、コイルに磁束が発生して、磁束の増減が起きるため
コイルに逆起電力が発生します
逆起電力によりコイルに逆電流が流れ、もとの電流の流れを妨げて抵抗のような働きをします
主磁束に対して発生するリアクタンスの事を 主リアクタンス
漏れ磁束に対して発生するリアクタンスの事を 漏れリアクタンス と言います
変圧器9 等価回路No.1
変圧器8 変圧器に生じる誘導起電力
変圧器に生じる誘導起電力
変圧器の一次側に交流電圧を加えたとき
一次巻線及び二次巻線に生じる誘導起電力を求める公式は次のようになります
E1=4.44fN1Φm・・・一次巻線に生じる誘導起電力
E2=4.44fN2Φm・・・二次巻線に生じる誘導起電力
E1 ,E2 : 一次巻線及び二次巻線に生じる誘導起電力 (*1)
f [Hz] : 周波数
N1 ,N2 :1次巻線及び2次巻線の巻数
Φm :磁束の最大値 (*2)
この公式を「Φm =」 の形にすると、磁束の最大値を求めることができます
注釈
(*1)
一次巻線に交流電流が流れると自己誘導が起きて、
一次巻線にも誘導起電力が発生します
(*2)
交流での電流の値は常に変化し、その変化は正弦波として表すことができます
そのとき電流値の変化に合わせ、鉄心に発生する磁束の変化も正弦波になります
変圧器に生じる誘導起電力の出題例 2008 問7
変圧器8 変圧器に生じる誘導起電力
変圧器7 定格容量
定格容量
変圧器の定格容量
変圧器の定格
変圧器の定格とは 指定された電圧、周波数における使用限度を表したものです
定格容量
定格二次電圧、定格周波数、力率100%の時の二次端子間の皮相電力 のことを
定格容量と言い、単位は [V・A]、または [kV・A] を使います
定格容量と電圧、電流の関係を表す式は次のようになります
Pn = V2n × I2n
Pn [V・A] : 定格容量
V2n :定格二次電圧
I2n :定格二次電流
また、V1 I1 = V2I2であるため、次の関係式も成り立ちます
Pn = V1n × I1n
Pn [V・A] : 定格容量
V1n :定格1次電圧
I1n :定格1次電流
上の2つの式より、次の式が成り立ちます
Pn = V1n × I1n = V2n × I2n
変圧器7 定格容量
変圧器6 巻数比 No.4
巻数比 No.4
巻数比、電圧比、電流比の関係を例題で見てみましょう
例題1
一次側の巻数100、二次側の巻数10の変圧器がある
一次側に6600[V]の電圧をかけ、2[A]の電流を流したとき
二次側にあらわれる電圧V2と電流I2を求めよ
答 V2 = 660 I2 = 20
例題2
巻数比4の変圧器がある
一次側に400Vの電圧をかけ、20Aの電流を流したとき
二次側にあらわれる電圧V2と電流I2を求めよ
答 V2 = 100 I2 = 80
変圧器6 巻数比 No.4
変圧器5 巻数比 No.3
巻数比 No.3
一次側電力と二次側電力
巻数比と電圧比と電流比の関係をまとめると次のようになります
a = N1/N2 = V1/V2 = I2 / I1
上の式の V1/V2 = I2 / I1 の部分を変形させると 次のようになります
V1 I1 = V2 I2
左項のV1 I1 は一次側の電力を、右項のV2 I2 は二次側の電力を表しています
このことから、変圧器の
一次側の入力電力 と 二次側の出力電力 は同じ値になることがわかります
V1 I1 = V2 I2
一次側の入力電力 = 二次側の出力電力
変圧器の 一次側電力 と 二次側電力 の関係を表す式
V1 I1 = V2 I2
V1 : 一次電圧
V2 : 二次電圧
I1 : 一次電流
I2 : 二次電流
変圧器5 巻数比 No.3
変圧器4 巻数比 No.2
巻数比 No.2
電圧比と巻数比
一次側と二次側の 電圧比 と 巻数比 の関係を表す公式は次のようになります
電圧比 と 巻数比 の関係を表す式
V1 / V2 = a
V1 : コイル1の電圧
V2 : コイル2の電圧
a : 巻数比
巻数比と電圧比は同じになります
電流比と巻数比
一次側と二次側の電流比 と 巻数比 の関係を表す公式は次のようになります
電流比 と 巻数比 の関係を表す公式
I1 / I2 = 1/a
I1 : コイル1に流れる電流
I2 : コイル2に流れる電流
a : 巻数比
巻数比と電流比は逆の関係になります
変圧器4 巻数比 No.2
変圧器3 巻数比 No.1
巻数比 No.1
巻数比
変圧器に巻かれている一次側と二次側の巻き線量の比を巻数比と言い、
巻数比を変えることにより、二次側の電圧と電流の値を変えることができます
それでは、巻数比と電圧比、電流比の関係を見ていきましょう
巻数比の公式
変圧器に巻かれている一次側と二次側の巻き線の 巻数比をaとすると、
巻数比aを表す式は次のようになります
一次側の巻数をN1、二次側の巻数をN2としたときの巻数比a を表す式
a = N1 / N2
a : 巻数比
N1 : コイル1の巻数
N2 : コイル2の巻数
一次側の巻数より、二次側の巻数を少なくした場合、降圧用
一次側の巻数より、二次側の巻数を多くした場合、昇圧用変圧器 になります
変圧器3 巻数比 No.1