変圧器2 変圧器のしくみ No.2
変圧器の分類方法から、変圧器のしくみについて見てみましょう
内鉄形と外鉄形
変圧器を 鉄心と巻線の位置関係 から見ると内鉄形と外鉄形に分けられます
鉄心が巻線の内側にあるものを内鉄形
鉄心が巻線の外側にあるものを外鉄形 と言います
鉄心
鉄心の構造は、厚さ0.35mm程度の けい素鋼板を絶縁被覆して積み重ねた積層鉄心(成層鉄心) です (*1)
厚さ0.35mm程度の薄い鋼板を使用する理由は、
交流電流により鉄心に発生する鉄損(ヒステリシス損及びうず電流損) を防ぐためです
冷却方式による分類
変圧器を冷却方式で分けると、主に
空気で変圧器を冷却する乾式 と 油で変圧器を冷却する油入式 に分けられる
その他にガス(SF6など)で冷却するガス冷却式 があります
油入変圧器
油入変圧器は、鉄心と巻線を 絶縁油の入った外箱に収めて絶縁油に浸し
油を冷やす放熱機(ラジエーター)、端子をケースから絶縁するブッシングなどからできています
注釈
(*1)
薄い珪素鋼板を積み重ね、幾層にもなっている状態の鉄心のことを積層鉄心、または成層鉄心と言います
変圧器2 変圧器のしくみ No.2
変圧器1 変圧器のしくみ
それでは今回から「誰でもわかる電験参考書」機械 の 内容の一部を
掲載していきます
更新はスローペースですが、皆さんの勉強のお役に立ててください
変圧器1 変圧器のしくみ
以下、文字部分のみ表示します
変圧器のしくみ
変圧器とは、電圧を変換するための機器で
高圧から低圧へ変換する降圧 と 低圧から高圧へ変換する昇圧 のどちらも
行うことができます
また、変圧器で変圧を行った場合、電流の値も変化します
変圧器の構造
鉄心に2組のコイルを巻きつけたもので、コイルの巻き数を変えることにより
2次側の電圧と電流の値を変えることができます(*1)
電源側を1次側、負荷側を2次側と言います
変圧器の原理
1次側コイルに交流電流を流すと、アンペア右ねじの法則(*2) により 鉄心には
交番磁束が発生する (*3)
その磁束は2次側のコイルを貫き、電磁誘導により2次側のコイルに誘導起電力が発生して電流が流れます(電圧も発生) (*4)
変圧器は交番磁界(*5) により発生する電磁誘導を利用しているため、交流でのみ使用できて、直流では使用できません
注釈
(*1)
コイルを日本語にすると、巻線 になります
コイル = 巻線
(*2)
アンペア右ねじの法則とは、
導線に電流を流すと導線の周りに、電流の進行方向に対して右回りに磁界(磁束)が発生することを表した法則です
(*3)
交番磁束とは、大きさと向きが定期的に入れ替わる磁束のこと
交流では、電流の向きと大きさは時間とともに変化しているので、発生する磁束の向きと
大きさも 時間とともに入れ替わる
(*4)
コイルを磁束が貫き、磁束が増減すると起電力が発生します
このことを電磁誘導と言い、この時発生した起電力を誘導起電力と言います
誘導起電力が発生すると、起電力と同じ向きに電流が流れ 電圧も発生します
(*5)
磁界とは磁束の発生している場 のこと
はじめに
電気関係 の仕事に就くならば必要とされることの多い資格である電験三種
本来は、電気のエキスパート、または電気のエキスパートを目指す人が
取得する資格なのでしょう
しかし
数学や電気の苦手な人が、受験するケースも多くあると思います
会社命令で仕方なく、受験する人
仕事で必要になってやむを得ず、受験する人
リストラの不安から逃れるため、受験する人
昇給、昇進に有利だから、受験する人
資格手当てのために、受験する人
就職に有利だから、受験する人
将来が不安だから、受験する人・・・・
その他、色々な理由で
電気初心者の方が、受験する場合があると思います
電気初心者の方が、電験三種の勉強を進めるにあたって、
どの参考書を選べば良いのでしょうか ?
まず、参考書選びが最初の壁になりますよね
しかし
電気初心者の方、いきなり電験三種の参考書や問題集を手にとっても
挫折してしまうことがあります
その理由は、と言うと
もともとは、電気のエキスパートを目指す人々が取得する資格であるため
高校や大学等の 電気科 や 機械科、または
それに準じる学科を卒業している受験者が多く
電験の参考書も、それらの人たちに向けて書かれたものが多いからです
電気のエキスパートに向けて書かれた参考書を、電気初心者の方が読んでも
理解するのは難しい話ですよね
つまり電気初心者に向けて書かれた参考書は今のところ、どの書店を探しても
どこにも見当たらない、
と言う状態です
電気初心者でも、多少はわかり易いテキストもあるとは思いますが
それでも、難しくて理解できない部分は多くあります
そのため
わからない部分を理解しようと、
2冊目,3冊目と参考書を買い進め
それでもわからずに
さらには
4冊目,5冊目と参考書を買い進めていく人も、いるのではないでしょうか ?
「誰でもわかる電験参考書」は
そのような電気初心者の方のために、作られており
基礎的な事柄から、馴染みのない専門用語まで
できるだけわかり易く、
誰が読んでも理解できるような内容になっています
電気初心者の方はもちろんのこと、
一度 電験を挫折した人
また、今にも挫折しそうな人
電験の参考書を見ただけで、やめてしまった人
電験三種は取りたいけれど、自分にはムリ、と最初からあきらめている人
それらの人に、ぜひ「誰でもわかる電験参考書」を使ってもらいたい
そう思って作成を進めています
「誰でもわかる電験参考書」が、皆さんのお役に立てば幸いです